2016年9月11日 更新

身近な“料理”をきっかけに、本屋をもっと元気にしたい -加藤勤さんインタビュー-

近年、1ヶ月に100点以上も出版されるという料理レシピ本。そのなかから頂点を決める『料理レシピ本大賞in Japan』という賞があることをご存じでしょうか。今回は同賞実行委員長を務めるブックスタマ社長、加藤勤さんにお話を伺いました。

29 view お気に入り 0
2014年から始まった『料理レシピ本大賞in Japan』は、各出版社からエントリーされた料理レシピ本を全国の書店員60名が投票形式で選考するという仕組み。選考基準は主に「家庭でも再現できるレシピかどうか」という点です。2016年度は料理部門123点、お菓子部門20点のエントリーから料理本32点、お菓子本6点に絞られ、現在は最終選考の山場を迎えています。


今回は料理レシピ本大賞実行委員長を務める、株式会社ブックスタマ代表取締役社長加藤勤さんに、料理レシピ本大賞について詳しくお話を伺いました。


「そもそものきっかけは、仲の良い書店員さんや出版社さんとの何気ない会話からでした。書店員が選ぶ賞と言えば“本屋大賞”がありますが、こちらは小説などの文芸書が対象です。しかし、文芸ではなく実用書だけを取り扱う出版社も数多くありますので、そのような社は本屋大賞がいくら盛り上がってもあまり関係がないんですよね。それなら今度は実用書の方で出版業界全体を活性化しようと、料理レシピ本大賞を立ち上げることになりました。」




―――実用書と言っても種類はさまざまですが、なぜ料理レシピ本に着目したのでしょうか?


「本を読まない人はいても、食事をしない人はいませんよね。料理なら人々の生活に密着しているので、お客様の立場から見ても親しみが持てるのではないかと考えました。料理レシピ本をきっかけにして、お客様が本屋に足を運んでくれるといいなと思ったんです。
 また、料理レシピ本のいいところは出版業界外でもアピールできることですね。食関連業界とのコラボレーションなど今後の可能性も広がりますし、回を追うごとに協賛して下さる企業様も増えてきています。業界の枠を超えてつながることができる賞だと思っています」




―――今年で第3回目となりますが、第1回目と比べて何か変わった点はあるのでしょうか?


「少しずつ賞の認知度が上がって来たなという実感はありますね。先日も出版業界向けに料理レシピ本大賞についての説明会を大阪と広島で実施してきましたが、ここでも多くの方が集まって下さいました。書籍市場は年々本が売れなくなってきているので、業界全体を盛り上げる試みはとても歓迎してくれます。
 1年目は賞を知ってもらうことに終始し、2年目からはお客様にも料理レシピ本大賞の存在を一目で分かっていただけるようにと、大賞作品に“料理レシピ本大賞受賞”という帯を統一して付けることにしました。とても目立つので分かりやすいとお客様にも好評です。こうした工夫や書店さん方の熱いプッシュのおかげもあり、実用書は3万部売れればベストセラーと言われる中、各回ともに大賞を獲った作品はどれも10万部を超えるという快挙を成しています。日々多くの料理本が出版される中で、お客様はこの賞を通して「おすすめの料理本を知りたがっているのかな」とも感じましたね。
 そして2016年度からは「ママが選ぶ、ママのための料理本」という視点から“ママ賞”を新設しました。日頃から料理をする機会が多いママに役立つ本や、ママ友達におすすめできるレシピ本という基準で、書店員の目線で選ぶ大賞とはまた違った作品が選ばれるのではと考えています」



―――年々進化する『料理レシピ本大賞in Japan』、今後の目標をお聞かせください。


「それは二つあります。一つ目はこの料理レシピ本大賞をもっとメジャーにして、料理本をめあてにお客様がたくさん本屋を訪れてくれることですね。二つ目は、料理レシピ本大賞“in Japan”に願いを込めて。
近い将来この賞から世界に発信できる料理本や、世界に羽ばたく料理家の方を輩出することができたなら、こんなに嬉しいことはありません」



徐々に認知度を上げ、話題の賞として成長を続ける『料理レシピ本大賞in Japan』。数ある料理レシピ本のなかから頂点に輝くのは、いったいどの作品なのでしょうか。
注目の結果発表は9月15日です。
1 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

この記事のキュレーター

田窪 綾 田窪 綾